ブックタイトルみちのだい185号

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概要

みちのだい185号

60寄り添う日々の中でおたすけの現場で皆様もお気づきのことかと思いますが、近年、精神疾患の患者数は、増加の一途をたどっています。教祖は精神疾患のおたすけについて、まま「…ひだるい所へ飯食べたようにはいかんなれど、日々薄やいで来る程に。」(『稿本天理教教祖伝』第三章)とおっしゃいました。つまり時間がかかり、長く寄り添うおたすけなのだと思います。私共の教会でも、うつ病や統合失調症、パチンコやアルコールの依存症、知的障害や発達障害、パニック障害や境界性人格障害、認知症の方など、多くの方をお預かりしてきました。精神疾患の方は、日常の様々な場面で、どうしても周囲を振り回してしまいがちです。家族や寄り添う人が、共に悩み共に葛藤する道中が必ずあります。パチンコ依存症で多重債務に陥り、返済に追われてうつ病しばらを発症して自殺を図った青年をお預かりした時も、暫くするとまた朝から晩までパチンコに行き出しました。私が泣いて止めても、その手を振り払ってでも通い続けました。ある人はひどい抑うつ状態で自傷行為に走ったり、被害妄想からはい他害衝動が出たりもしました。幻覚や幻聴で不安になり、徘か徊いして警察に何度も保護された人もいます。人との距離感がつ掴かめず極度に依存してきたり、かと思えば急に攻撃的になったりするケースもあります。そのつど担当医と連携を取り対応しますが、自分の心の中を覗けばほこりでいっぱいになってしまう時も多々あります。病気に対する勉強もして、これは一つの症状だと頭では分かっていても心が疲れてしまい、たすかってもらいたいと願うその人に対して、喜べずにいる自分が情けなくなる日もあります。生涯この人に寄り添おうと心を定めたのに、時間がかかると分かっていても現状が心配で、神様におもたれする心が足りなかったのだと思います。「世話さしてもらうという真実の心さえ持っていたら、与えは神の自由で、どんなにでも神が働く。案じることは要らんで。」(『稿本天理教教祖伝逸話篇』86「大きなた?す?け?」)「先を短こう思うたら、急がんならん。けれども、先を永く思えば、急ぐ事要らん。」(『逸話篇』133「先を永く」)「…この道は、先永う楽しんで通る道や程に。」(『逸話篇』135「皆丸い心で」)びばい美唄委員部廣長岡やよい