ブックタイトルみちのだい185号

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概要

みちのだい185号

55?心身症とは??心身症はなぜ起こる?しんしんしょう「心身症」と呼びます。大人にも見られますが、特に子どもはこころとからだの結びつきが密接であるため、大人よりも速やかに身体に症状が出てくるところがあります。これから三回、こうした子どもたちを取り上げて、大人はどう理解し関わることが求められるのかを考えます。まず「心身症」についてお話しいたします。心身症は基本的に子どもの何かがうまくいっていないというサインです。よく「神経症」と間違えられて、「こころの病気」だと誤解されますが、基本的には身体に症状が出ている状態です。しかし、その始まりおよびその解消の過程においては、心理的なものが大きく関わっています。そのため、支援としては心理的な支援のみで解消することもあります。こうした子どもの代表的な心身症は次のようなものです。まず、乳児期には、嘔吐・腹痛・便秘・下痢といった消化器症状や、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などがあります。また、嘔吐を繰り返す「自家中毒」、小学校高学年になると立ちくらみや動悸など自律神経のバランスが崩れることによる「起立性調節障害」、食事がとれなくなったり逆に過食になったりする「摂食障害」、学校など嫌なところに行こうと思うとおなかが痛くなる「過敏性腸症候群」、急に息が荒くなって自分では止められない過呼吸(過換気症候群)、さらには円形脱毛などの皮膚症状もあります。こうした子どもたちが身体も含めて訴えているのは、「何かがうまくいっていない」ということなのです。では、何がうまくいっていないのでしょうか?ある赤ちゃんの話をしましょう。この子は、フランソワーズ・ドルトというフランスの女性精神分析家が自分の本のなかに書いている赤ちゃんです。八ヵ月になるこの女の子のお母さんは、突然病に倒れ、入院することになりました。周囲は気を付けていたものの、この子は急激な環境の変化についていけず、母親が入院したその日から、人工乳はもちろん母乳すら受け付けなくなってしまったのでした。周囲は慌て、父親が緊急にドルトのところに相談にやってきました。それに対してドルトが答えたのは以下のようなことです。?この子のこころのなかでは急激に「お母さん」という