ブックタイトルふるさと会報第62号

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概要

ふるさと会報第62号

「国際参加プロジェクト」:国境を越えた、他者への献身地域文化研究センター准教授関本克良2001年1月26日、天理教春季大祭当日に発生したインド西部グジャラート州の大地震を契機として、本学において「国際参加プロジェクト」が始動し、それからインド、フィリッピン、中国、インドネシア、カンボジアにおいて計15回のプロジェクトを実施してきました。今年度はネパールで実施する予定であったところ、4月25日にネパール大地震が発生しました。地震の揺れは、震度4から5強程度で、地震の規模(マグニチュード7・8)から考えられる想定より小さかった(朝日新聞)のですが、耐震性の低い違法建築、老朽化した建物の多くが倒壊しました。8千人以上が命を失い、山間部では86万人以上の人々が、道路が寸断されて支援物資が不足し、雨季に入って雨が降る中、厳しい避難生活を送っています。ネパールでプロジェクトが実施できるか見極めるため、5月末に現地を訪問してきました。首都カトマンドゥ市内は、表通りに目立った被害は見えませんでしたが、路地裏に入ると、老朽化した建物を中心に倒壊して瓦礫の山となっている場所がかなりありました。それでも、空港やタクシー等の交通機関、ホテルや商店、電気や水道などの生活インフラは、カトマンドゥ市内では基本的に回復しており、被害が少ない安全な地域のホテルを利用すれば訪問することは可能であると判断しました。カトマンドゥでは天理教ネパール連絡所を中心に活発な「おたすけ活動」が展開されており、私も活動に参加させて頂きました。勇んでおたすけに励むネパール人信者の姿に触れ、こちらが勇ませて頂く思いがしました。「国際参加プロジェクト」のコンセプトは、異文化の地において、現地の人々への献身的な支援活動を通して、建学の精神である陽気ぐらし世界建設に寄与する人材を育成することにあります。自然災害をきっかけとして、懸命に助け合う姿の中から、人を助ける心が生まれ、だんだんと陽気ぐらし世界が拓けていくのではないかと思案しています。被災地で必要とされる支援活動は日々変化していきます。現地の状況を見極め、地震の被害に苦しむネパールの人々に少しでも喜んで頂けるようしっかりと準備して、積極的な支援活動を展開したいと思います。大学院体育学研究科がスタートしました体育学部体育学科・大学院体育学研究科体育学専攻准教授寺田和史今や、心身の発達や健康の保持・増進にとって、スポーツや運動、トレーニングを行うことは必須の条件といえます。ただし、それらに伴い、少なからず疲労やストレス(物理的・精神的)が生じることも周知の事実です。疲労やストレスの存在は、アスリートでは競技パフォーマンスの低下を招き、トレーニングの継続を妨げる要因となります。また、それらが蓄積すると、スポーツ障害やオーバートレーニング症候群等を発症させるなどの、慢性的な心身の不調につながる原因ともなります。したがって、スポーツ活動やトレーニングを存分に行い、その効果を最大限に得ようと考えれば、自ずと疲労やストレスにどう対処するかが重要となってきます。スポーツ活動等による疲労やストレスの対処法の一つとして「リカバリー(回復・復調)」とよばれる手段が挙げられます。我々の研究室ではトレーニング全般に関することを扱っていますが、近年は特にこの「リカバリー」を用いることが、トレーニング効果そのものに好影響を与えるかどうかについても主要なテーマとしています。具体的には、トレーニングと並行して、リカバリーとしての鍼灸やマッサージ、その他の物理療法等を行うことで、それらを行わない場合と比べてトレーニング効果に差が生じるか研究しています。本年度より、大学院体育学研究科が開設されました。ありがたいことに、私の研究室にも2名の大学院生が入ってきてくれました。学部生とともに、これからは院生も交えてより活発な研究活動が行えることを楽しみにしていますが、同時に、指導教員として、院生には修士号に相応しい、世の中に役立つ価値ある研究を行い、堂々と修了してもらわなければならない、というプレッシャーも感じています。はたして私にその能力があるかどうか・・・などと言っている場合ではありません。しっかりとその責任を果たしていきたいと思っていますので、志のある方は、我々と一緒に学究の徒となってみるのはいかがでしょうか。お待ちしています。ふるさと会報第62号23