ブックタイトルふるさと会報第62号

ページ
16/68

このページは ふるさと会報第62号 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

ふるさと会報第62号

考古学専攻卒業生の皆さん、お元気に活躍のことと思います。考古学専攻が創設されたのは1992年のことですから、足かけ24年の月日が経過したことになります。2003年度に大きな改革があり、専攻の名称が考古学・民俗学専攻と改まり、定員も20名から25名へ増えました。民俗学実習室もできたのですよ(国文共同研究室の隣)。私が天理大学に職を得たのは専攻ができた翌年のこと、以来19年勤め、2012年3月に退職しました。その後2年間、非常勤講師として関わりを持ちましたが、2013年度をもってそれも終り、以来晴耕雨読の日々を送っております。退職した直後に『古代文化』誌上で「正倉院宝物を十倍楽しむ」の連載が始まりましたので、これが生きる支えとなっています。エッセイみたいなもので、これを読んで正倉院展を観れば1話で倍、10話まで読了すれば10倍楽しめるようになる、という趣向です。今、2話目が終りつつあるところで、季刊誌ですからあと5年くらい続くでしょう。大学にいた時の思い出は、何といっても学生とのつき合いに尽きます。よく話し、よく飲みました。今でも時に卒業生が我が家にやって来て、続きをしています。来れない人は、当方余命いくばくも無いのだから、間に合うように急いで便りを寄こしなさいよ。2015年3月、第20期卒業生が巣立ちました。ということは、第1期生は卒業20周年を迎え、そしてなんと42歳になるのです。名実ともに「中年」の仲間入りしたことになりましょう。教え子が中年になれば、当方が高齢者扱いされるのも当然ですか。この間、約450人の卒業生を送り出しました。20年間独身で通してきた人もいますし、近年卒業した者には未婚が多いでしょうから、そうですね、3分の2と見積もって300名が結婚したはずです。部外者にとって考古学は、「新発見」とか「日本最古」という見出しで新聞が報じるように、華やかな学問かも知れませんが、実は地味なのです。研究の基本は分類にありまして、土器や瓦などを集成して分類するところから始まります。ですから、考古学者は何でも分類したがる。結婚だって分類してしまうのです。考古学専攻卒業生における結婚のパターンは5つに分類できます。1専攻内専攻生の男と女。同学年同士と学年が違うばあいに2分できます。私が把握している範囲内の話ですが、少なくとも8組16名あります。5パーセント強ですから、極めて少ないと言えましょう。2学科内歴史文化学科にはもう1つ歴史学専攻があります。どうも両専攻は仲睦まじいとは言えないようで、考民・歴学のペアは寡聞にして1組も知りません。3学部内文学部は歴史文化学科と国文学国語学科で成っていますから、学部内といえば国文をさします。これに該当するのは1組のみ。4他学部クラブ活動などで知り合ったのが1組、は競技ダンス部であります。もう1組は同じ授業を受講していた縁による。見合いしたらたまたま同窓生であった、というケースもあり得ます。5学外1~4を合わせると学内結婚したのは1割ほど、大部分は卒業後に相手と出会ったことになります。特殊なケースとして、相手が専門職(考古学や民俗学でメシを喰っている者)であるばあい、そして国際結婚を挙げておきましょう。相手が同業者である、つまり発掘現場や遺物整理をしている際に知り合って結びついたケース、これがもっとも多い。少なくとも20組はあるでしょう。つい最近、K研究所の研究員との結婚が2組相継ぎました。ところで女性のばあい、子供が生まれると、特に2人目ともなると退職してしまいます。残念ですね。3人子持ちで頑張っている猛者もいるのですけれど。国際結婚は2組、どちらも女性で、お相手は中国人とエジプト人です。上掲の写真は去る4月、3期生が我が家を訪ねてきた時のもの。このうち専攻内が2組、相手が同業者2人、国際結婚が1人おります。3期生は専攻の縮図みたいですね。第20期卒業を一つの区切りとして、今後の考古学・民俗学専攻の健闘を祈ります。14ふるさと会報第62号